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ロシア製
合成カラーチェンジダイアモンドと
合成ブルーダイアモンド

AGTジェムラボラトリー 上杉 初


99年度のツーソンジェムフェアに出展されていた、ロシア製の合成カラーチェンジダイアモンド2ピースとロシア製合成ブルーダイアモンド1ピースについて紹介します。

カラーチェンジ合成ダイアモンドの情報は昨年末に耳にし、今年になって届けられたジェム&ジェモロジー1998WINTER号に記載された記事により、この合成ダイアモンドの特徴を知ることができましたが、ツーソンでこのタイプの合成ダイアモンドを入手できたため、非常に早い段階でこれらの特徴を紹介できることとなりました。


写真1:合成カラーチェンジダイアモンド

検査内容

1.形状

ラウンドブリリアント(3石共)

2.寸法

3.21−3.22×1.90mm(A石)
3.53−3.57×2.25mm(B石)
3.60−3.61×2.00mm(C石)

3.重量

0.116ct(A石), 0.174ct(B石), 0.157ct(C石)

4.カラー

A石、B石共に自然光でグリニッシュイエロー、白熱光でオレンジの色相へ変化した。2石共に明度が暗く、彩度も低いため、ブラウン味が非常に強い。(写真1)C石はブルーで、これまで目にしたことのある合成ブルーダイアモンドよりも濃度が薄く、天然ブルーダイアモンドに通常見られる明度、彩度を呈している。(写真2)

写真2:合成ブルーダイアモンド(0.157c)

5.クラリティ

天然ダイアモンドのGIAスケールにあてはめるとA石がVS程度、B、C石がSI程度である。

6.インクルージョン

A石:黒色インクルージョン、不自然に散乱したピンポイント、テーブルからスターファセット部分と反対側のパビリオン部分に赤色の色溜まり。
B石:不自然に散乱したピンポイント、テーブル中心付近に合成の特徴であるグレイニング、パビリオン側にガードルからキューレットの90゜毎にグレイニング、フェザー。
C石:金属質と考えられるクリスタルインクルージョン、不自然に散乱したピンポイント、合成の特徴であるブルーの色溜まり、パビリオンガードル部分にナチュラルが2ヶ所。

7.紫外線蛍光

A石:
LW=中程度の黄緑色、一部オレンジ色
SW=LWと同様の蛍光色
B石:
LW=中程度の黄緑色
SW=LWと同様の蛍光色
C石:
LW=なし
SW=強い青白色、燐光が非常に強く長時間続く

8.電導性

A、B石は電導性がないが、C石は電導性が比較的強い

9.紫外可視分光

A石:637,575,553,503,494,478nmにピークが見られる
B石:792, 637, 553, 547, 503, 494 nmにピークが見られる
C石:特徴的な吸収スペクトルはない

10.赤外分光

A石:4935cm-1(H1b)に非常に強いピークが見られ、1450cm-1(H1a)に中程度の強さのピークが見られる。窒素領域を見ると、タイプ1aAであることがわかる。
B石:A石と同じ
C石:中赤外線領域の吸収特徴からタイプ2bであることがわかる。