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| 新しいタイプの合成ダイアモンド
上杉 初
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![]() 写真1:テーブル内部の金属インクルージョン |
【検査内容】 1.形状:ラウンドブリリアント(写真左上) 2.寸法:3.30 - 3.42 × 2.15 mm 3.重量:0.159 ct 4.カラー:薄いグリーニッシュ イエロー 5.クラリティ:天然ダイアモンドのGIA スケールでSI2程度 6.インクルージョン:ダーククリスタル 7.蛍光反応:LW;なし/SW;非常に弱い青白色(燐光あり) これまでのイエロー系の合成ダイアモンドは、SWにおいてグリーニッシュイエローの蛍光色を呈し、また合成ダイアモンドの特徴である成長構造は確認できなかった。 8.電導性:テーブルからキューレットの方向で非常に強いが他の方向では反応は見られなかった。 9.磁性:サンプルを糸で釣り下げた状態で、磁石をゆっくり近付けると、サンプルは磁石に微妙に引き寄せられるのを確認した。 10. 紫外可視分光:特徴的な吸収は見られない。 11. 赤外分光:1500cm-1から1000cm-1には窒素の吸収が存在しないのに、2800cm-1付近に小さく吸収があるため、この合成ダイアモンドはタイプIIa にIIb が加わったものであろう。 12. カソードルミネッセンス:合成特有の成長構造が明瞭に確認できる。
また、この色相範囲の天然ダイアモンドは電導性を示すことも、磁性を示すこともなく、電導性、磁性の存在は、合成ダイアモンドの特徴といえる。このように今回のサンプルはそれぞれの検査を慎重に行えば、合成ダイアモンドという結論は導き出されるはずである。しかしながら「L〜Mカラー」の比較的薄い色の合成ダイアモンドが持ち込まれたことは、紛れもない事実であ (AGTジェムラボラトリー東京チーフ) |
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![]() 写真2:カソード ルミネッセンスにより、この合成ダイアモンドの内部構造が明瞭である。 |
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| 【検 討】
今回の薄いグリーニッシュ イエローのサンプルとこれまでに持ち込まれたイエローのサンプルとの違いは窒素の有無であろう。濃いイエローの合成石は、純粋なタイプIbか、タイプIbとIaの混合であり、これらの窒素の含有がイエローの色の原因となる。これに対し今回のサンプルはタイプIIaおよびIIb の特徴が見られることから、窒素を含有しない。 と同時に、ある方向で電導性を示すことから、限定されたセクターだけにホウ素を含有していることが推測される。また、グリーニッシュな色の原因は一般にニッケルを含有することが知られており、今回のサンプルについても磁性があることから、ニッケルを含有することがその他の原因と推測できる。(蛍光X線分析ではニッケルは検出できなかった。) |
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